第63章 飾らない言葉で
「……リヴァイさん、聞こえてますか?」
エマは震える手でリヴァイの手を
握り締めながら問いかける。
リヴァイはそれに応えるかのように、
エマを見つめたまま手を握り返した。
「良かった……」
心臓がドクドクと動き、
身体中に血を巡らせている。
その感覚が分かるくらいに、
自分の鼓動は大きく刻まれていた。
リヴァイの瞳に、自分が映っている。
その事実が、
自分の鼓動を急激に加速させる。
リヴァイはエマの手を小刻みに握った。
エマが顔を上げ、リヴァイの目を見入ると
リヴァイは乾いた唇を、
「た だ い ま」
と、出来る限りハッキリ動かした。
………やっと泣いてもいいのか。
エマは思わず頬を緩めると、
「おかえりなさい。
ずっと待ってました。」
そう言って
ベッドに横たわるリヴァイを
優しく抱きしめた。