第64章 希望
それから一週間もしないうちに
リヴァイの容体は安定し、
自室で療養できるまでに回復した。
「おい、そろそろこの手は
どうにかなんねぇのか?」
リヴァイは怪訝そうな目で、
ギプスで覆われた自分の両手を
少し上に上げる。
「どうにもならないですよ。
骨折してるんですから。」
エマはそんなリヴァイを横目に、
食器を片づけていた。
「それに、リヴァイさんの
食事やらお風呂やらを手伝うなんて、
こんな時くらいしかできないですからね。」
そう言って小さく笑うエマに、
「それが嫌だから、この手を
どうにかしろっつってんだろうが。」
リヴァイは眉間に皺を寄せて視線を送った。