第63章 飾らない言葉で
「お前がこんな状態になってから
既に2週間が経つ。
ハッキリ言わせてもらうが、
今お前が目を覚まさなければ、
これからお前の生命を維持することは
難しいだろう。」
エルヴィンの判然とした物言いに、
エマは思わず目を伏せる。
「そんな時、
エマにプロポーズをしたんだ。
結果なんて、言わなくても分かるだろう?」
エマは思わず口を開きそうになるが、
エルヴィンはエマの口の前で
人差し指を立て、話を続けた。
「お前に悪いとは思わない。
お前はここまで生きて帰ったのにも関わらず、
こうして彼女をずっと待たせているんだ。
エマが泣くのを必死で我慢しているのに
お前は目を開くことすらしない。
そんなお前が、
エマを幸せに出来るのか?」
エルヴィンの言葉は、
エマの胸にも突き刺さった。