第62章 夢を叶える為に必要なもの
「エマ。
私のこの幸せな夢を叶えるためには、
君が絶対に必要だ。
私は君以外の誰かと
結婚生活を送るつもりはない。
君が私を選ばない限り、
私のこの夢は一生叶わない。」
エルヴィンのその言葉を聞き、
エマの心臓は一瞬、
鼓動を刻むことを止める。
エマは再び目を閉じ、
一度深呼吸すると
「……それ、言ったら卑怯だから、
言わないって言ってませんでしたっけ?」
そう言って、
エルヴィンに微笑んで見せた。
エルヴィンは
エマに微笑み返すと、
「そうだな。確かにそう言ったよ。
……だが、卑怯なことをしてでも、
今の君の憔悴しきった心を救いたい。」
そう言って
エマの手を握り締めた。