第59章 反応と希望
「エマさん。大丈夫だよ。
きっと兵長は起きる。
だって、ここまで生きて帰ってきといて
エマさんに見守られながら死ぬとか、
そんな贅沢な死に方、ズルすぎるだろ?」
エマは思わずジャンに抱き着くと、
「ありがとう。
なんかちょっと元気出たよ……」
そう言ってジャンの胸の中でため息を吐く。
「……さすがにちょっと堪えてる。
でも、希望は捨てたくない。」
ジャンはエマの話を黙って聞きながら
そっと背中を摩った。
「こんな状況でも
希望を捨てずにいられるのは、
ジャンみたいにリヴァイさんが
目覚めることを信じてる人しか
ここにはいないからなんだよね。」
「当たり前だろ。」
ジャンはそう言うと、
エマを力強く抱きしめた。