第59章 反応と希望
「エマさん!」
エマが食堂で昼食の準備をしていると
大声で名前呼ばれ、厨房から顔をのぞかす。
「ジャン!良かった!怪我は?!」
エマは厨房から出ると、
ジャンに駆け寄った。
「いや、俺はしてない、そうじゃなくて、」
「ジャン、おかえり。
無事に帰って来てくれてありがとう。」
エマはジャンの言葉を遮ると
ジャンの手を優しく握った。
「……ただいま。
待っててくれて、ありがとう。」
ジャンはそう言って
エマの手を握り返し、
「エマさん、
兵長のところいなくていいのか?
団長は、仕事より兵長の看護を
優先してくれていいって言ったんだろ?」
と、少し焦った声で問いかける。