第59章 反応と希望
日付が変わる寸前、
エルヴィンは治療室に戻ってきた。
「エマ。待たせたな。」
エルヴィンはベッド脇の椅子に座るエマに
声を掛ける。
「エルヴィンさん。お疲れさまです。」
エマはそう言って立ち上がり、
机脇の椅子をベッドの横に移動させた。
「ありがとう。」
エルヴィンはエマが移動させた
椅子に座ると、
リヴァイの顔を覗き込む。
「何か反応は?」
「特にないです……」
「……そうか。」
エルヴィンはそう言うと、首元を緩め、
「まったく、この忙しい時期に
兵士長がこんな状態だと、
こっちは大変だぞ?」
と、大きくため息を吐く。
「早いところ起きて手伝ってもらわなければ、
私が過労死しそうだよ。」
エルヴィンがあまりに普通に話をするので、
エマは思わず吹き出した。