第57章 贅沢な相談役
「……迷惑じゃないんですか?」
「ずっと言い続けているが、
私は君に頼られたいんだよ。」
エルヴィンは即答し、
「君の相談役に任命してもらえるなら、
私は少しずつでも、君を友人として
支えられるようになる気がする。」
と、穏やかな声で言った。
「エルヴィンさんが友人で相談役なんて、
かなり贅沢ですね。」
思わず本音を漏らすエマに
「そう思ってくれるという事は、
これからも私に相談してくれるという事か?」
と、エルヴィンは嬉しそうに
エマの顔を覗き込む。
「私はいつでもエルヴィンさんを
頼りたいですから。
ありがたすぎる提案ですよ。」
エマはそう言って
エルヴィンを見入ると
「そうか。良かった。」
エルヴィンは再びエマを
優しく抱き寄せた。
「その代わり、
君がリヴァイとケンカでもして
自暴自棄になった暁には
それに付け込んで
しっかり抱かせてもらうから、
そのつもりでいてくれ。」
冗談めかして、そう言うエルヴィンに、
「まぁ、それすら私には
ありがたいですけどね。」
と、エマは張り合うように言い返す。
「そうか。
ますます楽しみが増えたよ。」
エルヴィンは笑みを零すと、
エマの頭を乱暴に撫でた。