第57章 贅沢な相談役
「………すみません。
何でこんなことエルヴィンさんに
相談してるんでしょうね………」
突然我に返ったエマは
恥ずかしくなり、エルヴィンの胸に顔を埋める。
「確かに。振った相手に
そんな相談をするべきではないな。」
エルヴィンは思わず吹き出した。
エマはチラッと
エルヴィンの顔を盗み見ると、
「笑いごとでもないですけどね……
本当に、申し訳ないです。」
そう言って、胸の中で頭を下げた。
「いや。いいんだ。
君が色々素直に話してくれることは
嬉しいからね。」
エルヴィンはエマの頭を
ポンポンと叩く。
「……それに、何故だか
少し吹っ切れた気がするよ。
………こうして、
君の相談を受ける役も悪くない。」
エルヴィンはエマを
少し離して目を見つめ、
「これからも
私に何でも相談してくれるか?」
と、優しい表情で問いかけた。