第55章 作戦の上の作戦
エマの左手の小指には
オレンジ色の宝石がはめ込まれた、
クロスデザインの
ピンキーリングがはめられていた。
「私が君の誕生日に花束だけで
終わらすはずがないだろう。
君が寝ている間に、
はめさせてもらったよ。」
エルヴィンは驚くエマの顔を
楽しそうに見つめる。
「……全く気付かなかったんですけど……」
エマは唖然としたまま、
自分の小指を見つめた。
「左手の小指の指輪は、
今の幸せを逃がさないと言われているんだよ。」
エルヴィンはエマの左手をそっと握り、
「そして真ん中の宝石、
オレンジムーンストーンは君の誕生石だ。」
と、指輪を見つめた。