第53章 花言葉
二人で花壇の周りを歩きながら
エマはエルヴィンから花の種類を
教えてもらっていた。
「あの花、可愛いですね。
何て言うんですか?」
エマは白いハート形の
花びらをつけた花を指さす。
「あれはプリムラのシネンシスだな。」
「花言葉は?」
エルヴィンは
エマの手を引き寄せ、
「永遠の愛。」
と、耳元で囁いた。
「わざわざ耳元で囁くのはやめてください……」
思わず赤面するエマを見て、
エルヴィンは笑うと、
「君の反応が面白いからな。
なかなかやめられないんだよ。」
そう言ってエマの手を握る。
「花言葉って、
何かと恥ずかしい言葉が多いですね……」
「そうかもしれないな。
恋や愛に関する花言葉は多いよ。」