第53章 花言葉

「エルヴィンさん、
花言葉にだって詳しいですもんね。
四つ葉のクローバーの
花言葉でさえ知ってましたし……」

エマはそう言いながら
四つ葉のクローバーの花言葉を
耳元で囁かれた時のことを思い出し、
少し恥ずかしくなる。


「そうだな。
知っていて損はないだろう？
君もあの時は少なからず
揺らいでくれたようだしね。」

エルヴィンはエマの頬に手を当て、

「だが、結局君は私のものには
ならないみたいだが。」

と、残念そうな声を出した。



「……あの、これ以上鮮明に思い出すと
また赤面しそうなので、
わざわざ思い出させようとするの
やめてくれますか……？」

エマが頬に当てられた
エルヴィンの手を握って離すと、

「いや、もう既に結構赤いよ。」

エルヴィンはエマの赤らんだ顔を見て、
小さく笑った。