第53章 花言葉
しばらく街中を歩くと、
花壇が並んだ場所に辿り着く。
「綺麗ですね!
この辺りがお祭りのメインですか?」
エマは花壇の前に屈むと、
パンジーの花に目を向けた。
「ああ。この時期だから、
パンジー、ビオラ、ムスカリ、プリムラ……
あとは、アリッサム、
ユリオプスデージー辺りの花がメインだな。」
エルヴィンはそう言うと、
エマの横に並んで屈む。
エマが花の名前を羅列するエルヴィンを、
驚嘆の表情で見ると
「そんな目で見ないでくれ。
ただ雑学として知っているだけだよ。」
エルヴィンは困ったように頭を掻いた。