第52章 大胆に
基地に帰り、
夕食の準備をしているところに、
エルヴィンが食堂へ入ってきた。
「エルヴィンさん、お疲れさまです。」
エマが声を掛けると、
「エマ。今日は真っ昼間から、
なかなか大胆なことをされていたな。」
エルヴィンは上着を脱ぎながら、
早速出発前のリヴァイの行動を茶化した。
「……エルヴィンさん、見てたんですか?」
エマは少し頬を赤らめる。
「ああ。
それに周りもかなり騒いでいたからな。
まさかリヴァイがあんな行動に出るとは
誰も想像していなかっただろう。」
エルヴィンはそう言いながら、頬を緩めた。
「私も予想だにしませんでした……」
エマが頬を紅潮させたままでそう言うと
「君の最終的な決断は、
もうほぼ決まっている、ってところだろう?」
エルヴィンはそう言って
エマの顔を覗き込む。