第52章 大胆に
「……エマ、
かなり視線浴びてるけど……
これ、大丈夫?」
サラはそう言いながら
困惑した表情で周りに目を向ける。
兵士長の突然の大胆な行動に、
街の住人は驚きを隠せないようで、
エマの周りはかなりざわついていた。
「……私も今、かなり予想外なことされて、
頭の中、沸騰しそう……」
エマはそう言いながら、
赤面した顔を手で覆う。
一応調査の出発前ではあるが、
まさかリヴァイが踵を返して
自分の元へ来てくれるとは思っていなかった。
恋人の時でさえ、そんなことを
してもらったことはなかったのに、
今はまだリヴァイの温もりが
自分の身体と心を温めている。
「お蔭で、ますます
揺らがない自信が持てましたよ。
楽しみに帰って来て下さいね。」
エマはリヴァイの背中を見ながら
小声で呟いた。