第51章 約束の場所
「よくこんな枯れ木の状態で分かったな。」
「桜の木がある個所も
本にいくつか書いてあったので……
場所的に、この辺だと思って、
さっきから注意深く観察してたんです。」
エマはそう言いながら木を見上げ、
リヴァイの胸にもたれかかった。
「4月か……
まだあと1か月以上あるな。」
リヴァイはエマの頭に顎を乗せる。
「次の調査から帰って来てすぐに行けば、
間に合うかもな。」
リヴァイのその言葉を聞くなり、
エマは勢いよく後ろを振り返り、
「え、一緒に見に行けるんですか?!」
と、嬉しそうに声を上げた。
「この枯れ木が、
どう変化するのか気になるしな。」
リヴァイはそう言いながら、
エマを後ろから抱きしめる。
「うわ、嬉しいです。
一度本物を見てみたかったんですよ。」
目を輝かすエマを見て、
リヴァイは少し頬を緩めると
「仕事をしてない間の俺の時間は、
全部お前にやるよ。」
そう言って、ますます強くエマを抱きしめた。