第51章 約束の場所
馬に乗って基地へ帰っている最中、
小さな川が流れる付近で
「あ!リヴァイさん!
ちょっと止まって下さい!」
と、エマは突然声を上げる。
リヴァイは少し戸惑いながらも、
馬を止めた。
「何だ。忘れもんか?」
リヴァイは後ろから
エマの顔を覗き込むと、
「いえ。あの木、
多分桜の木だと思うんですけど。」
そう言ってエマは
一本の大きな木を指さした。
リヴァイはエマの指さす方を見て、
「ただの枯れ木だが。
そもそも、さくらってどんな木だ?」
と、眉間に皺を寄せる。
「私も本でしか見たことないんですけど、
春の最初の頃だけ、白色や淡紅色の花を
咲かせるらしいです。」
リヴァイはエマの説明を聞きながら、
木を見上げた。