第50章 こんな日くらいは正直に
「……お前、急に何言い出してんだよ。」
宿を出てすぐ、
リヴァイはため息交じりにエマに声を掛ける。
「何の話ですか?」
「結婚式の話に決まってんだろうが!」
思わず声を上げるリヴァイに
「いいじゃないですか。
少なくとも今は、リヴァイさんと
結婚する気なんですから。」
と、エマはニヤリと笑って見せる。
「………昨日の仕返しか?」
「別にそんなつもりはないです。
結婚式挙げるの、嫌なんですか?」
エマは平然と問いかけると、
「いいだろう。盛大に挙げてやるよ。
お前が恥ずかしくなるくらいにな。」
リヴァイはそう言って小さく笑い、
エマの手を握って歩き出した。