第50章 こんな日くらいは正直に
次の日の朝、二人は朝食を食べ終え、
帰り支度を済ませてから、ダグに声を掛ける。
「ダグ、世話になったな。
また来る。」
「リヴァイ兵長、
お待ちしておりますよ。」
ダグは優しい表情でリヴァイに笑いかけると、
エマの方に目を向け、
「貴女は素敵な女性です。
自分の気持ちに正直に、幸せな人生を。」
と、エマに小瓶を手渡した。
「……これ、クミンですよね?」
エマは小瓶の中身を見てそう言うと、
ダグはエマの耳元に口を寄せ、
「クミンのもう一つの言い伝えです。
クミンを手に持って結婚式を挙げると、
これからの人生、家庭中心の
永遠の幸せを得ることが出来る、
といわれているそうですよ。」
小声でそう言って、エマに笑いかけた。