第50章 こんな日くらいは正直に
「……ですが、この気持ちは、
今日リヴァイさんにここまで嬉しい言葉を
掛けてもらえたからなのかも知れないんです。」
エマは真剣な表情でリヴァイを見つめ返し、
「だから、もう少し時間を下さい。
この気持ちが、もう揺らがないか、
確かめさせて下さい。」
と、ハッキリとした口調で言った。
「エルヴィンからの
気持ちも聞くってことだな?」
リヴァイはエマの目を見つめたまま聞く。
「はい。次、リヴァイさんが
調査に行っている間に話します。
自分が寂しい時に、
優しくされて揺らぐようでは、
完全にリヴァイさんに心があるとは
言い切れないと思うので。」
リヴァイは小さく笑うと、
「ほんとにお前は、
自分を追い込むのが好きだな……」
そう言って、再びエマを抱き寄せた。
「いいだろう。
お前の気が済むまで確かめろ。」
「……すみません、いちいち面倒な女で……」
エマはリヴァイの胸の中で呟くように謝る。
「そんな面倒な女だからこそ愛したんだ。
俺にだけ、
しっかり面倒を掛けてくれればいい。」
エマはリヴァイを強く抱きしめると、
「やっぱりリヴァイさんが優しすぎると、
調子狂いますね……」
そう言って少し笑った。