第50章 こんな日くらいは正直に
「結婚もしてなけりゃ、
恋人でもねぇのに、ガキが欲しくなる。
まぁ、普通じゃねぇな。」
「……そんな普通じゃないこと
言い出したのは、リヴァイさんですからね……」
リヴァイはエマを引き寄せ、
「それでも、俺はそのくらいの気持ちで
お前を愛してんだよ。」
そう言いながらエマを抱きしめる。
「自分の心臓は人類に捧げてるくせに、
……心ん中は全部、お前に持って行かれてる。」
穏やかな声とは裏腹に、
リヴァイの鼓動は速く刻まれていた。
「俺に幸せになる権利などないと思っていたが、
お前とこうしていると
幸せがどういうもんなのか、
分かった気になるんだよ。」