第50章 こんな日くらいは正直に
「なっ、何言い出してんですか!」
エマは一瞬にして耳まで赤くなり、
リヴァイから離れる。
「あ?普通のことだろうが。
お前との子どもが」
「わーーー!ちょ!も、ほんとに!
これ以上気を動転させる発言は、
控えてくださいっ!」
まさかリヴァイがそんなことを
言い出すという考えは、
心の片隅にもなかった。
逆に、リヴァイは子どもに
興味もなさそうだったし、
そんなに好きではない方なのだと
思い込んでいた。
「……リヴァイさん、
実は子ども好きだったんですか?」
エマはつい小声になって問いかけると、
「いや。好きではない。」
リヴァイはまたしても明瞭な口調で言う。
「だが、お前との子どもなら
愛せる気がする。」
今日のリヴァイが言う言葉の一つ一つが
どれも想像が及びもつかないものばかりで、
動揺を隠すことができそうにない。
と同時に、この顔の赤みも
しばらく引きそうにない……
エマは俯き、深呼吸をした。