第48章 最初で最後の
それから10分程経った後、
エマはシャワールームで服を脱ぎ、
湯を浴びると、タオルを巻いた状態で、
奥の扉を開けた。
中に入ると、澄んだ空気の中、
少しの肌寒さを感じ、
湯気と共にヒノキの匂いが舞い上がる。
湯気の向こうには、
ヒノキで出来た露天風呂があった。
「うわ!すごいですね!」
エマは思わず声を上げ、
風呂を見入る。
風呂の横にランプがあり、
灯りは十分足りている。
風呂の大きさは、
余裕で二人浸かれるくらいだ。
そんなに密着しなくてはいけない訳でもない。
一緒に入っても大丈夫そうだな……
そんなことを考えていると、
「お前、俺をどれだけ待たせる気だ。
早く浸かれ。」
リヴァイは風呂の中で、エマに顎で指示した。