第48章 最初で最後の
エマは目を丸くしたまま
固まって沈黙すると、
「そんな驚くことでもねぇだろ。
これだけお前に執着してんのに、
俺がそういうことを考えないと思ってんのか?」
リヴァイは前を向いたまま、
呆れたような口調で言う。
「それくらい、お前を
俺だけのものにしたいと思ってるってことだ。
……だからお前は、いちいち
そんなことで泣くんじゃねぇよ。」
「……見てないのに、
何で泣いてること、分かるんですか?」
必死で声を押し殺して涙を流していたエマは、
リヴァイに問いかける。
「お前を愛してるからだ。」
その一言で、エマの目からは、
次々と涙が溢れ出す。
「俺もしつこい男になったな……
まさかこれだけ女に愛を囁く日が来るとは、
思いもしなかった。」
リヴァイはそう言って
少し笑みを溢しながら、
エマを優しく抱き寄せた。
「だが、意外とこの感情も悪くない。」