第48章 最初で最後の
「リヴァイさんは、何て答えたんですか?」
「一生誰かを連れて来ることは
ないだろう、と。」
ダグはそう言った後、
少し寂しそうな表情を浮かべ、
「恋人は、自分には不必要だ。
そう言われたんです。」
と、エマの目を見つめた。
「……ですが、それでも、
もし連れて来たいと思える女性が現れたら、
是非私に紹介して下さい、と声を掛けたら……
万が一、
一生添え遂げたいと思える相手が出来たら
連れて来る、と。」
ダグはそう言って微笑んだ。
「そして、それから5年以上経って、
彼は貴女を連れて来てくれました。」
エマは思わず俯いた。
「私がこのようなことを言ったせいで、
貴女を追い詰めてしまったかもしれませんが
……私は、あの不器用なお方の
肩を持ちたいんですよ。」
エマは目に溜め込んだ涙を手で拭う。