第48章 最初で最後の
「……これは内緒の話ですが、
リヴァイ兵長は、ここに誰かと一緒に
来たことはないんですよ。」
ダグは少し小声で話し始める。
「リヴァイ兵長は、
いつもここへ御一人で来られて、
静かに食事をして帰られていました。
……ですがある日、
聞いてみたことがあったんです。」
エマは興味深げにダグの顔を見た。
「いつも一人で食事をするのは
淋しくないのか、
一緒に食事をしたい女性はいないのか、と。」
「……ダグさん、勇気ありますね。」
エマが思わずそう言うと、
ダグは頬を緩め、
「そうですね。
私もまだ若かったですから。」
と、冗談めかして答えた。