第8章 納得したくない確証
「……一緒に入るんでしょうか?」
「どうかな。
まぁ、一緒に屋敷に入るとなれば、
弁解の余地がかなり少なくはなるが。」
エルヴィンは小さくため息を吐く。
「エマ。もし彼が屋敷に入ったら、
どうするつもりだ?
後を追って、問い詰めるか?」
エマはエルヴィンの問いに少し考えると、
「……それはしたくないです。」
そう言って目を伏せた。
「さすがにそこまで執着したくないです。
……と言っても、ここまで来た時点で
かなり執着してるんですけどね……」
「リヴァイは君の恋人だろう?
執着するのは当たり前だ。
君には彼を問い詰める権利もある。」
「でも、そこまでして
リヴァイさんに縋って、もし本当に
あの女性と関係があるんだったら。
……もう立ち直れる自信がありません。」
エルヴィンは今にも泣きだしそうな
エマの表情を見て
「……そうだな。とにかく今は、
彼が屋敷に入らないことを祈ろう。」
そう言って、リヴァイの方に向き直った。