第48章 最初で最後の
母屋のログハウスに着くと、
ダグに二人掛けの
ダイニングテーブルへ案内された。
席に着くなり、エマは
「わぁ、可愛い料理ですね!」
と、声を上げる。
既にテーブルの上には、前菜として
アミューズブーシュが置かれていた。
ジャガイモを軽く揚げたチップスの上に、
カブやカボチャなどをのせて、
タルト仕立てにしてある。
匂いからして、
ソースはトマトがベースのようだ。
「こんな爺さんが作る料理には
思えないでしょう?」
ダグは笑いながらエマに目を向ける。
「いえ!そんなことはないですよ!
でもびっくりしました。
すごくお洒落ですね。勉強になります。」
そう言ってまじまじと料理を見るエマに、
「……まぁ、食いながら観察しろ。」
と、リヴァは少し頬を緩める。
二人は落ち着いた雰囲気の中、
食事を始めた。