第48章 最初で最後の
宿の中は、殺風景な外観に反して
暖かい空気に包まれていて、
その要因はログハウスの中心に陣取っている、
大きな暖炉のお蔭だとすぐに分かる。
天井が高く、窓も多いので開放感があり、
アンティーク調のソファーは、
温もりのある木のテーブルと
うまく調和していた。
「素敵な宿ですね。
リヴァイさんがこんな宿を知ってるなんて、
かなり意外です。」
エマはそう言いながら、
天井にぶら下がっている
木の枝を組み合わせて作った照明器具を
見上げる。
「……お前は、相変わらず
サラッと失礼なことを言うよな……」
リヴァイがそう言った時、
「リヴァイ兵長、
お待ちしておりましたよ。」
奥の部屋から、
一人の老年男性が現れた。