第48章 最初で最後の
「前の方が揺れねぇんだよ。
これから少し長い間馬に乗るからな。」
リヴァイはそう言うと、
エマの背中に密着し、手綱をとった。
さりげない優しさがエマの心を温め、
更に背中からリヴァイの体温が伝わり、
次第に鼓動が高鳴ってくる。
それを誤魔化すように、
「なんか前って緊張しますね……」
そう呟くと、
「……それは、どの意味でだ?」
リヴァイはエマの耳元で囁くように言った。
エマは赤面し、口を噤む。
「お前に抱き着かれるのも悪くねぇが、
こっちもなかなか悪くねぇ。」
リヴァイは赤面したエマの耳に
そっと唇を這わせた後、馬を走らせた。