第8章 納得したくない確証
リヴァイは基地の外へ出ると、
内地の方向へ歩き出す。
エルヴィンとエマは
リヴァイと距離を取り、
足音を潜め、リヴァイの後を追った。
「これって、あの時のお城の方向ですよね……」
エマは木の陰に隠れながら、
小声でエルヴィンに話しかける。
「ああ。そうだな。
君と一緒に参加した、
貴族の集まりがよくある城がある方向だ。」
エルヴィンはそう言いながら、
リヴァイの後姿を目で追う。
「リヴァイさんって、
貴族の人と関わりがあったんですか?」
「どうかな。聞いたことはないが……
とにかくもう少し後をつけてみよう。」
二人はゆっくり歩きだした。
エマの予想通り、
リヴァイは城の前で立ち止まる。
そして、そのすぐ後に、
あの時見た女性が
城の中から駆け出してきた。
「エルヴィンさん、あの人です。」
エマは思わずエルヴィンの袖を掴む。
「……私も知っている子だな。」
その女性は、リヴァイの腕に縋ると
近くの馬車を呼ぶ。
リヴァイは何の抵抗をする訳でもなく
女性と一緒に馬車に乗り込んだ。