第8章 納得したくない確証
次の日の夜。
エルヴィンとエマは、
厨房の隅で息を潜めていた。
「エルヴィンさん、
本当に上手くいきますかね……?」
「どうだろうね。
ただ、何もしないよりは何かした方が
気が紛れるだろう?」
エルヴィンはそう言ってエマに笑いかける。
「でも、もし本当に浮気だったら……」
「その時は私の所に戻ってきたらいい。
簡単な話だ。」
エルヴィンはエマの頭に手を置いた。
「大丈夫だ。きっとリヴァイは
そんなことをするような奴ではないよ。」
優しいエルヴィンの表情を見ると
エマの心は少し落ち着き、小さく頷いた。
しばらくすると、
リヴァイが食堂の前を通る。
リヴァイは一瞬食堂に目を向けたようだが、
明かりが付いていないことに気付き、
すぐ目を逸らし食堂を通り過ぎた。
「やっぱり今日も行くみたいですね……」
「そうだな。
とにかく先回りして外に出よう。」
エルヴィンとエマは、
厨房の勝手口から外に出た。