第7章 疑惑と予感と確信
「……そうか。確かにそうなると
君の不安な気持ちも分かるな。」
エルヴィンはそう言いながら、
首筋に手を当てた。
「だが、君と恋人に戻って早々に
そんなことをするとも考えにくいんだが。」
「もしかしたら、私と恋人に戻る前から、
その女性と関係があったのかも
知れないじゃないですか。」
「……君は、そういう考えは
特に冴えているんだね。」
エルヴィンは困ったような顔でエマを見る。
「こればかりは、私にも何とも言えないな……
だが、確かめる方法がないわけでもない。」
「……え?」
エマは思わず
エルヴィンの顔を見入った。
「もし君に、真実を知る勇気があれば、
の話だが。」
エマはエルヴィンの目を見たまま少し固まると
「真実を知りたいです。」
そう力強く言った。
「……そう言うと思ったよ。
エマ。明日の夜は、空いているかな?」
エルヴィンはそう言って再び席に着いた。