第46章 油断と出来ない理由
『タチの悪い酔っぱらいだな……
適当に流すしかないか。』
酔っぱらいの扱いには、
食堂で働いていた時から慣れている。
エマはナイルに笑いかけると、
「ナイル師団長には、結婚相手として
もっとふさわしい相手がいますよ。
そんな妥協しないで」
そう言いかけて、
勢いよく床に押し倒された。
「俺はお前がいいと言ってるんだ。
俺の女になれ。」
強く腕を抑えられ、
身体を起こそうにも身動きが取れず
「……とりあえず、
落ち着いて話しましょう。」
エマは内心少し焦りつつも、
穏やかな声でナイルに話しかける。