第46章 油断と出来ない理由
しばらくして、個室のドアが開く。
「エルヴィンさん、
ナイル師団長大丈夫でしたか?」
エマがそう言い終わる前に、
「エマ。
お前はあいつが好きなのか?」
と、個室に入ってきたナイルに声を掛けられた。
……酔っぱらいの戯言だ。
相手にしなくてもいいだろう。
なんてことを思いながら、
「エルヴィンさんは?」
と、ナイルの問いかけを無視して訊ねると、
ナイルはゆっくりドアを閉め
「エルヴィンとなら結婚できるのか?」
と、エマに詰め寄る。
ナイルの真剣な表情に戸惑いながら
「今は恋人でもないので
そんなことは考えてないですけど……」
そう冷静に答えると
「それなら、
これから俺との結婚を考えてくれ。」
ナイルはそう言ってエマの腕を掴んだ。