第46章 油断と出来ない理由
「ッ……お前、このことも見越して、
俺にエマがリヴァイと
別れたことを教えたのか……?」
ナイルは舌打ちし、
警戒する表情でエルヴィンを見た。
「さあ。それはどうだろうね。」
エルヴィンは片頬に笑みを浮かべ、
「どっちにしても彼女は、
私が好意を寄せている女性だ。
お前と二人で食事なんて
させるはずがないだろう。」
と、エマの肩を抱き寄せる。
「お前はプライベートですら悪魔だな……」
ナイルは思わず小声で呟いた。
「……すみません。
私に友だちがほぼいないってことに
原因がありまして……」
エマは俯き加減に言う。
「いや、いいんだ……俺の考えが甘かった。」
エルヴィンは明らかに落胆した表情の
ナイルの肩を強く掴むと
「それならさっさと食事に行くとしよう。」
そう言ってナイルに笑いかけた。