第46章 油断と出来ない理由
だが、エマは微笑み返すことはせず
複雑な表情を浮かべ、
「あの、早速なんですが……」
そう言いながら、後ろを振り返った。
「は?!何でエルヴィンがいるんだよ?!」
エマの後ろから歩いてくる
エルヴィンを見て、
ナイルは思わず声を上げる。
「すみません……
ちょっと色々ありまして、
友だちが捕まらなくてですね……」
ナイルはエマが小声で
説明しているのを聞き流しながら
「おい!エルヴィン!お前、何の真似だ?!」
と、声を荒げる。
「何の真似か、だって?
それはこっちのセリフだ。」
エルヴィンは少し笑うと、エマの隣に並んだ。
「リヴァイと別れてすぐのエマを誘うとは、
お前もまだまだ甘いな。」
エルヴィンはそう言いながらナイルを見る。