第45章 突然のお誘い
数日後、エマは休暇を利用して
憲兵団に赴き、
サラにナイルとの食事の話をした。
「ナイル師団長、
まだエマのこと諦めてなかったの?」
サラはその話を聞くなり、
面倒臭そうな顔で言う。
「いや、さすがにそれはないでしょ。
多分本当にお詫びの気持ちなんだと思う。」
「ねぇ、エマ。
いつもそんなこと言って油断してるから
いきなり襲いかかられたりするんだよ?」
サラはそう言いながら、
エマが憲兵団に居た時の事を
思い出していた。
エマは持ち前の鈍感さで、
憲兵の誘いをことごとく軽くあしらい
何度か強引に押し倒されそうになっている。
だが持ち前の負けん気で急所を突き、
逃げ出している話を周りから何度か聞いていた。
「それは憲兵団の時だからだよ。
憲兵に興味なかったし、
多少こっちが乱暴にして嫌われても
どうでも良かったしね……」
エマは薄ら笑いを浮かべた。