第41章 敢闘の跡
いつだってそうだ。
エルヴィンは、
自分を強く必要としてくれている。
そしてそれを、いつも素直に伝えてくれる。
この人とずっと一緒に居れば、間違いなく、
自分は心も身体も彼に奪われる。
彼に全てを捧げてもいいと
思えるようになるのだろう。
でも今は未だ、決断していい段階ではない。
この感情は、きっとリヴァイと居ても、
生じるものなのだと思う。
結局二人の心に揺り動かされ、
一人で悩むのが難しくなる。
それをありがたいとも
嬉しいとも感じてしまう自分は、
やはりまだ決断できる状態ではないのだろう。
エマはエルヴィンを優しく抱きしめながら、
小さく息を吐くと、
「私には勿体なさすぎる言葉ですが、
嬉しいと感じたことは確かです……
……ありがとうございます。」
正直にそう言った。
エルヴィンは何も言わず、
強く抱きしめたまま、エマの肩に顔を伏せた。