第41章 敢闘の跡
「自分は戦いには向いていないと思いますが、
それ以外で力になれることがあれば、
役に立てるように全力で頑張りますから……
もう前みたいに、何でも一人で
抱え込まないで下さいね。」
エルヴィンはエマから手を離すと、
「君を今すぐ抱きしめたい。」
そう言って、エマの目を見つめた。
エマは大分軽くなった身体を起こして、
立ち上がると、
ソファーに座った状態のエルヴィンを
強く抱きしめた。
「君の言葉は、いつも私に力を
与えてくれているよ。ありがとう。」
エルヴィンの穏やかな声を耳にすると、
エマは自然と目を閉じた。
「……だが、そんな言葉を聞くと、
また君の心が欲しくて堪らなくなる。
その心も、その言葉も、
私だけのものにしたくなるんだ……」
エルヴィンは、
そっとエマの背中に手を回した。
「ここまで女性に執着したくなったのは
初めてなんだよ……
君の心を手に入れる為なら、
何だって出来そうなんだ。」