• テキストサイズ

自由の翼を掴む話・2【進撃の巨人】

第41章 敢闘の跡



「……ここ、痛くないんですか?」

エマは思い立ったようにそう言うと、
エルヴィンの胸のベルト跡に指を滑らす。


「ああ。痛くないよ。
これだけ皮膚が固くなれば、痛点も鈍る。」

エルヴィンはエマの髪を
優しく掻き上げながら笑うと、

「エルヴィンさんは、
こんな風になるまで戦ってたんですね……」

エマは小さく息を漏らした。


「そうだな。
私にとっては、敢闘の跡だよ。
そんな悲しそうな顔をしないでくれ。」

エルヴィンは今にも泣きだしそうな
エマの頬に手を当てる。





「ありがとうございます……」

エマはやっとそう言うと、
自分の頬に当てられた
エルヴィンの手をそっと握った。


「エルヴィンさんたち、兵団の方のお蔭で
私たちはこうして壁の内側で
幸せに過ごしていられるんですよね。」


エルヴィンは握られた手を、
強く握り返す。


「こうして身体を張って、
命を捧げてまで戦ってくれているお蔭で、
壁の内側にいる私たちは
少しも戦わずに済んでる。」

/ 613ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp