第41章 敢闘の跡
「私が受け入れて欲しいのは君だけだ。
もう君以外の女性を抱かなくて済むなら、
一生そうしたいくらいなんだが。」
明瞭な語感でそう言われ、
エマは思わず頬を紅潮させた。
「エルヴィンさんを
満足させるテクニックなんて、
持ってないですけど……」
思わず本音を漏らすエマに、
「いや。私はいつも十分過ぎる程、
満足しているよ。」
と、優しく笑いかける。
「……その割には、いつも余裕そうですよね。」
「私は君よりは、
感情を隠すのが上手いからね。」
エルヴィンの即答に、
エマは少し息を漏らすと、
「多分、大体の人が私より
感情を隠すのは上手いと思いますけど。」
と、皮肉を込めて言った。