第39章 優しいキス
エマがゆっくり目を開けると、
さっきと変わらない位置で
エルヴィンはエマの目を見つめている。
「綺麗な瞳だね。
吸い込まれそうだよ。」
「……それは、こっちのセリフですよ。」
エマはそう言って
エルヴィンの露草色の瞳を見つめ返した。
少し潤んだ瞳の中には、
自分の瞳だけが映っている。
「それなら、ずっと見ていてくれていい。」
エルヴィンは少し笑ってそう言うと、
エマの瞳を見つめながら、
ゆっくり唇を近付け、
触れるように優しく唇を合わせた。
そして、唇の感触を確かめるかのように、
軽く押し当て、唇を撫でる様にキスをする。
エルヴィンの欲情的な表情とは対照的に
優しすぎるキス。
エマは思わず目を瞑った。
「……見ていなくていいのか?」
エルヴィンはそう言いながら、
エマの下唇を優しく啄み、
柔らかく、丁寧なキスを続ける。
そんな穏やかなキスをされているにも関わらず、
エマの鼓動は高鳴り、
体温がかなり上昇しているの感じていた。
エルヴィンはエマの顔を見つめながら、
優しいキスを繰り返す。