第39章 優しいキス
「ちょ……、ちょっと、
急に何してるんですか?」
エマは思わず口を手で塞ぐと、
「すまない。
寝起きは欲情しやすいんだよ。」
そう言って身体を起こし、エマの隣に座る。
「……そういう所は似てますね、二人とも。」
エマが呟くように言うと、
「リヴァイも朝から欲情するタイプか?」
エルヴィンは好奇の声を上げる。
「そうですね。団長も兵士長も
性欲が半端ないってことは確かです。」
エマが冗談めかしてそう答えると、
「その恋人になった人物も、
なかなかその欲が強いと思うが。」
そう言ってエマの手を引き寄せた。
「……こんな近くで、
そんな目して見ないで下さい……」
鼻が当たるか当たらないかくらいの
至近距離で目を見つめられ、
エマは思わず目を閉じる。
「君の瞳が見たくなった。」
エルヴィンはそう言うと、エマの瞼に触れた。