第39章 優しいキス
「ここなら良い夢が見られそうだ。」
そう言ったエルヴィンの顔が
とても穏やかで、
「……そんな顔で言われたら、
ダメとは言えなくなりますね。」
と、エルヴィンの髪を撫でた。
エルヴィンは目を瞑ると、
1分も経たないうちに静かに寝息を立て始める。
「どれだけ疲れてるんですか……」
エマはそう呟くと、本から目を離し、
エルヴィンを見つめた。
一本一本が太く長い睫毛、
目力をより強く見せる男性的な眉、
高くシャープな鼻、
男らしさを感じさせる引き締まった輪郭、
艶っぽい均整のとれた唇……
全体的に整っている
相変わらずの綺麗な顔立ちに、
思わず見とれてしまう。
『ダメだ、また変な気分になる。』
そう思い、視線を本に戻した。