第39章 優しいキス
「ここに来るの、
あのリヴァイさんの浮気騒動以来ですね。」
エルヴィンの秘密基地、
と言う名目の書庫に入ると、
エマはエルヴィンを横目で見る。
「ああ。弱気な君も可愛かったな。」
エルヴィンはそう言うと、
エマの顔を覗き込んだ。
「もうあの時の自暴自棄な自分は
思い出したくないです……」
エマがそう言って目を伏せると、
「今日こそは、
ゆっくり本を読んでくれればいい。」
エルヴィンはエマに笑いかけた。
エマはソファーに座ると、
一冊の文庫本を読み始める。
エルヴィンはエマが
二人掛けのソファーに座った直後、
すぐ隣に来て
「エマ。私は少し寝てもいいか?」
と、問いかけた。
「え、いいですけど、ここってベッド」
そう言いかけた時、
エルヴィンはエマの膝の上に頭を乗せ、
ソファーに横になる。