第39章 優しいキス
次の日の夜、エマは風呂から出ると、
廊下でエルヴィンとすれ違う。
「エルヴィンさん?」
思わずエルヴィンの袖を掴んだエマは、
「エルヴィンさん、かなり顔色悪いですよ?
大丈夫ですか?」
と、心配そうな顔を向ける。
「ああ。エマか。ありがとう。
徹夜明けだからかな……」
エルヴィンはエマに目を向け、
首筋に手を当てた。
「徹夜したんですか?
と言うか、普段もあまり寝られてないのに、
そんなことしてたら本当に身体持ちませんよ?」
エマは困惑した表情で
エルヴィンの顔を覗き込んだ。
「……そうだな。
まぁ、仕事も落ち着いてきたから、
今日くらいは少し早く休もうかな。」
エルヴィンはそう言うと、エマの腕を掴む。
「え?」
エマは間の抜けた声を出すと、
エルヴィンはエマの手を握り、
歩き出した。
「……あの、これ、
どこ行く感じなんですかね……?」
エマが不安気な声を出すと、
「ああ。久しぶりに
秘密基地に行こうかと思ってね。」
エルヴィンはそう言ってエマに笑いかけた。