第38章 諦めない権利
「エマさんの心も身体も捕まえられるように、
俺にも少しくらい頑張らせてくれる?」
エマの太腿をゆっくりなぞりながら、
優しい声で問いかけるジャンに
「……ジャンって、
こんなやらしい子だったっけ……?」
と、思わず問い返すエマ。
「エマさんに対しては、こんくらいしないと
意識してもらえないことに気付いたからな。」
ジャンは少し笑ってから、
エマの質問に応えつつ、
指を太腿の根本の方まで滑らせた。
「それより、返事は?
俺もまだ頑張る権利あるよな?
まだ諦めなくてもいいよな?」
「……そ、それ、私が答える意味あるの?」
エマは赤面したまま、ジャンをそっと見た。
「いや。どの道、まだ諦める気はないよ。」
あまりにハッキリ言うジャンに
「じゃぁ諦めないでくれて大丈夫です……」
と、エマはとにかく動転した気と、
昂ってきた感情を抑えようと、早口に言った。
「なぁ、こんだけで
そんないやらしい顔になるの?」
ジャンはそう言ってエマの顔を覗き込む。
「……すみません。」
エマは俯き、思わず謝る。
「いや、謝らなくてもいいんだけど、
さすがに俺もそんな顔されたら、
すげームラムラしてくんだけど。」
「そうか。
それならジャンの自慰は私が手伝おう。」
ジャンはいきなり耳元で囁かれ、
一瞬固まった後、ゆっくり後ろを振り返った。