第6章 縋れる相手
「……リヴァイさんって、
浮気すると思いますか?」
エマの口を突いて出た質問に、
エルヴィンは驚いてエマを少し離す。
「なんだ。浮気されてるのか?」
「……分からないです。
でも、疑わしいんです。」
エマは少し呼吸を整えると、
昨晩の出来事をエルヴィンに話した。
「何も教えてくれないのに、
俺を信用してないのかって聞かれて
どう信用すればいいんですか?
って思わず言ってしまって……」
「後悔しているのか?」
「いえ、本心なので後悔はしてないです。
でも、」
エマは少し俯く。
「でも……
それを言った後のリヴァイさんが、
すごく悲しそうな表情をしてて。
そんな顔するんなら、
黙ってないで話してくれたらいいのに。
私に疑われるようなことをするんだったら、
事前に一言、
何か言ってくれても良かったのに、って。」
「リヴァイにそう言ったのか?」
「……言う前に、
もう勝手にしたらいいって言い放って、
逃げてきちゃいました。」
「そうか。君らしいな。」
エルヴィンはそう言うと、
頬を緩めた。