第38章 諦めない権利
ジャンは一瞬固まった後、
「は?!え、リヴァイ兵長と?!」
と、声を荒げる。
「え、待って。
このタイミングで兵長振ったの?!
また団長と寄り戻したってこと?!」
ジャンの頭は混乱し、詰問が止まらない。
「ジャン、取りあえず落ち着こうか。」
エマはジャンの反応に笑いながら言う。
そして、ここ最近の
おおまかな出来事をジャンに話した。
「一つ聞きたいことあるんだけど、いい?」
話を聞き終わったジャンは
エマに視線を合わせる。
その真剣な表情に、
エマは一瞬戸惑うが
「う、うん。いいよ。」
と、少しどもりながら答えた。
「それって、また俺にも
希望が出てきたってこと?」
未だジャンの真剣な眼差しは変わらず
エマは思わず視線を逸らし
「……いや、なんというか、
あるとも、ないとも言えない……」
と、曖昧に答えた。
「相変わらず優柔不断だな……」
ジャンは不満気にエマを見る。
「だっていい加減なこと言えないんだもん……
その気持ちは素直に嬉しいけど、だからって、
私がジャンの恋人になるとは思えないし……」
「え、そんなハッキリ言うの?!」
ジャンは焦ったようにエマの手を握る。